原文:
http://www.teamliquid.net/forum/viewmessage.php?topic_id=194376原文の筆者のTLid: iamke55
元記事の投稿日:February 19 2011 17:44
元記事の最終編集: 2011-04-17 01:30:26
意訳:Lapack 2011-06-10
何故スタンダードにプレイすべきか上達するための最善の方法が毎ゲーム同じビルドを行うことだということは、高いレベルのSC2プレイヤーの間では受け入れられている。これはランダムプレイヤーに対して、一つの種族でプレイした方が上達が早い、と助言するときの考え方と同じである:"a jack of all trades is a master of none" ということだ。あるゲームで起き得る可能性を狭めることによって、スキルアップのために学習しなければならないことの量も減らすことが出来る。「10種類のビルドを使っているのだが、それぞれ2rax expandにどう対応したらいいだろうか?」と考える時間があれば、「私が使っている1つのビルドで、テランが使える10種類のビルドにどう対応すればいいか?」という問いに答えることが出来るだろう。一つのビルドだけをプレイすれば、そのビルドについてすべてを学ぶことが出来る。スタンダードなプレイにはどう対抗すべきか、チーズにはどう対応するか、などだ。そのビルドが何に弱いのかがわかるだろうし、それをどう偵察すべきかもわかるだろう。偵察に応じてどうビルドを修正すべきかも正確にわかるだろうし、そうすることでビルドの弱点をなくすことができるだろう。ゲームのすべての段階において、何をすべきかについて考えを持つことが出来るだろう。
しかし最も重要なことは、そのビルドを熟知することで、プレイ中にビルドの内容をいちいち考えなくて済むことだ。これが出来れば、操作(mechanics)は向上し始める。(次に何をビルドするかについての)忙しい決断に追われることがなくなるので、あなたの頭脳はワーカーを作り続けること、余りミネラルを低く保つこと、サプライブロックを防ぐこと、ミニマップを見ることなどに注意を振り向けることが出来る。こうすれば無駄な連打をしなくてもAPMは上がっていくだろう。
もし信じられないなら、Artosisによる次のスレッドを見るといい:
http://www.teamliquid.net/forum/viewmessage.php?topic_id=78677残念なことに、現在のストラテジーフォーラムはこのような練習法の助けにはあまりならない。[G]タグ(訳注:上級者による包括的な戦略解説記事には[G]というタグをタイトルにつけるのがフォーラムのルール)を検索すれば、ほとんどすべてのプロトスのビルドオーダーガイドが古すぎるか、奇をてらったものだ。このスタンダードプレイシリーズでは、何か新しい戦略を作ろうとか、自分の名前が付くようなものを作ろうとは考えていない。私の目標はプレイヤーたちに、最新の、包括的で、スタンダードな、すべての相手に毎ゲーム使える戦略を、それがなぜうまく働くのかの解説付きで紹介することだ。それらは「自分が上手に実行すれば勝てる」と考えながらプレイできるビルドであって、決して「相手が偵察しなければ勝てる」だとか「相手がこれを見たことがなければ勝てる」といったビルドではない。だから負けたときにも、ビルドを根本的に変えなければならないのだろうか?といった心配をする必要はなくなる。ここで紹介するビルドには致命的なカウンターは存在しないからだ。
なぜEGiNcontroLのビルドなのか?まずはこれを見てもらおう:

納得いただけただろうか?
Incontrolは世界でもPvZがもっともうまいプレイヤーの1人で、韓国ラダーで上位のzergをすべて倒してきた。言い換えれば、この戦略が通用しなくなるレベルに到達する心配はしなくていいということだ。
概観プランはまず多くのsentryを作って2ndを確保し、その後マップを動き回りながら相手をつつき、そうしたプレッシャーをかけることで大量のDrone生産をさせない、または咎めること。そして3ベースでの強力なColossusプッシュをかけるためにアップグレードが重要になる。この時序盤から作っておいたsentryはいつでもFFが貼れるくらいエナジーがたまっているだろう。これはdeath-ballを作ることに焦点を当てた戦略である。
オープニング14 assimilatorか15 assimilatorかというような厳密な違いにこだわる必要はない。ここでは普通のプレイを仮定しているので、6poolだとか1baseのroach/speedlingを偵察した場合はこのビルドは放棄しなければいけない。probeは連続生産で、chrono boostは主にNexusにかけるものとする:
9 Pylon
Send the pylon probe to scout
13 Gateway
15 Assimilator
16 Pylon
@100% Gateway Cybernetics Core
@100 minerals Zealot
@75 minerals Assimilator
@100% Cybernetics Core Sentry, Warpgate
22 Pylon
Sentry and 2 gateways when you have minerals
@100% gateways produce 2 or 3 sentries depending on resources/supply
Pylons as needed
@100% Warpgate convert gateaways and expand
@150 minerals (constant probe/pylon/sentries) Forge
@150 minerals (constant probe/pylon/sentries) Gateway
Assimilator as the nexus finishes
@100% Forge Photon Cannon at expo, +1 weapons
@8 sentries begin warping in stalkers
@100% Photon Cannon begin “Shark Mode”
偵察プローブは、14 hatchかどうかチェックし、1base all-inではないか偵察し、そして拡張hatcheryを妨害することに使う。偵察によって、14 pool 16 hatchを妨害するために16 pylonを使うか、speedlingスタート(訳注:14gas 14poolなどのことか)からの拡張を妨害するために22 pylonを使うかを判断しよう。拡張したNexusの近くに立てるcannonには複数の働きがある。burrowed roachをdetectすること、roach/speedlingの攻撃を防ぐこと、speedlingハラスからミネラルラインを守ることである。そしてこの最後の働きのおかげで(ユニットを前に動かして)プレッシャーをかけ始めることが出来る。
拡張後:

sentryの数に注目しよう: 拡張がおわったときのユニットはおよそzealot1体とsentry8体という感じになっているはずだ。この構成でspeedlingから2ndを守るのは、最も後半戦を指向した方法だ。sentryを早くからそろえることで将来より多くのforcefieldを使うことが出来るからである。
3/14/2011 追記:4つ目のgatewayを建て始めた後、probeをexpoの少し前に向かわせよう。forgeが完成したときcannonを建てるために一度このprobeを戻し、その後再び前方に向かわせよう。これはmass speedlingかroach/speedlingをstalkerが出る前に着弾させるタイミングプッシュが存在するからだ。これをこのprobeで察知したい。それによってこのようなタイミングプッシュに対応する時間を得て、うまくforcefieldを貼る準備ができる。
もし自陣のgasを取られてしまったら、4gateに変更するか、または序盤に少し多くzealotを出して、中盤の4つ目のgasを早く取り始めよう。
Shark Modeいくつかのstalkerがそろってcannonも完成したら、ユニットで動き回る時間である。まず偵察用のzerglingやoverlordを倒してzergの視界を奪いたい。新たにユニットをwarp inするたびに軍を自陣に戻して追加ユニットと合流し、再び動き始めよう。これらの軍の動きがもたらす効果は、zergにとって不確かな雰囲気を作り出すことだ;マップコントロールを奪うことで、zergはこちらの攻撃に備えてdroneをつくらずにユニットを作らなければいけなくなる。このようなプレッシャーのかけ方を"Shark Mode"と呼んでいる理由はこの時の軍が鮫に似ているからだ。つまり、動くのをやめれば死ぬ。もしこれをサボってしまったら、zergプレイヤーは自由にdroneを増やすことが出来てしまい、macroであなたを圧倒するだろう。この動きをしているとき、できるだけ軍を壁に沿って動かすようにしよう。急な攻撃に備えるためだ。
4/16/2011追記:常に前にprobeを持ってきて、Sharkを行いながらproxy pylonを建設しよう。これをしない場合、zergプレイヤーが感じるプレッシャーはずっと弱くなり、生産をdroneに傾けられてしまうだろう。

これと並行して、相手が中盤戦をどのtechで戦おうとしているのか判断したいところだ。mutaliskか、roachか、あるいはbanelingなのか?一般的なルールは、たくさんのspeedlingを見たらmutaかbanelingを予想し、そうでなければroachを予想せよというものだ。陸路の近いマップ配置でなければ大量のspine crawlerもmutaliskを予想する材料になる。陸路が近い場合、これは “giraffe migration”プッシュのサインになる。(訳注:なんのことかわからないがたぶんoverlordでcreep作ってspineを埋めて攻撃する戦術のこと?)
Mutaliskの中盤戦について:もし多くのspeedlingでのハラスを受けたら、mutaliskを疑って6gateプッシュを行ってよい。もしmutaliskではなかったとしても、退却してvs roachのプレイを継続すればよい。なぜなら序盤の多くのspeedlingによって、6gateで生じたtechやexpoの遅れと同じくらい相手も遅れているからだ。もしmutaliskを察知できないままこちらがroboを作ってしまったら、observerを活用してハラスに対処しながらblinkを研究しよう。IncontrolはDTをハラスに向かわせてmuta以外にガスを使わせ、後にblink stalker, sentry, zealot, そしてarchonによる強力なプッシュを行う、というやり方を好んでいる。厳密なタイミングでなされるべきことはあまりないが、mutaliskに気づいた時点でtwilight councilを建てること(roboに行かずに6gateするタイミングを逸したものとしての話)と、zergプレイヤーがroachに切り替えし終わる前にはプッシュを試みること。
筆者のヴァリエーション:筆者は序盤でhallucinationを研究しておいて、こちらがroboを建てる前にzergのtechを偵察している。spireまたはbaneling nestを見たときは2gatewayを追加して合計6gateにし、probeを38で止めて3つ目のガス採掘を切る。hallucinationの研究コストを払う代わりに、mutaやbanelingビルドに対しては6gateを行う選択肢が得られるわけである。
zergling/banelingの中盤戦について:この場合は非常に堅くタートルする必要があるが、おおまかな方針はこの後述べるRoachの中盤戦と同じである。このdoublelingスタイルに対しては(訳注:サプライが)MAXになるまで自陣を離れることは出来ないので、ディフェンシブに拡張を続けてcolossus, archon, blink stalkerからなるデスボールを完成させよう。gatewayを使ってシムシティ(訳注:建物をつかって侵入経路をふさぐこと)している限りは地上ユニットによる反撃はほぼ無効になるはずだから、dropに対してだけきちんと対応できればよい。
Roachの中盤戦について:これがzerg側のスタンダードな中盤戦のスタイルであり、以下このガイドではこのパターンについて述べる。ビルドのタイミングははっきりしているのでビルドオーダーの形式で書くことが出来る。以下はShark Modeをはじめたところからの続きであり、probeとpylonは作り続けているものとする。
Robotics Facility after a few stalkers
Assimilator (4th) while Robotics Facility is building
@100% +1 Weapons +1 Armor
@100% Robotics Facility Observer, Robotics Bay
@100% Observer Immortal
(Optional) @100% Immortal 2nd Immortal
@100% Robotics Bay Colossus (constant production from now on, always chrono boost), Extended Thermal Lance
1 Colossus Nexus (make sure to place pylons and cannons for defense)
5th and 6th Assimilators while Nexus is building
When gas permits it, Twilight Council
@100% Twilight Council Blink or +2 Weapons, get the other one when gas permits
@100% Nexus 4 Gateways and get ready to push
これらのビルドを実行しながら、shark modeは続けて行うこと。あなたの軍は動きを止めることなく規模を増していくべきだ。例外はzergの大軍が動いているときで、この場合は自陣でタートルしていて構わない。なぜならそのような場合はzergがdroneを大量に作っている恐れはないからだ。追加でwarp inするユニットはおおむねstalkerだがgasが足りなくなるところではzealotをかわりに追加すること。gasの量は常にchrono boostされたcolossus生産を前提にして、それにあわせて調整される必要がある。
3体か4体のcollossiが出来たらプッシュを始めるタイミングである。これは3rd baseからのインカムが入り始めるタイミングに近いだろう。
注意:colossusがそろう前の期間は、「forcefieldで敵軍を半分に分断し、近くの半分を倒す」作戦をやってはいけない。(Terranには使っているかもしれないが)sentryは簡単に狙い打たれてしまうので、forcefieldはroachのカタマリの4分の1以上とは戦うことがないように張ったほうがいい。これ以上多くのroachと戦ってしまうと、zergプレイヤーが注意していれば簡単にsentryを倒されてしまうだろう。この戦略は2体以上のsentryを作り直さなければならなくなった時点でかなり崩れてしまうので、多くのroachを倒すことではなく、多くのsentryを生き残らせることに焦点を合わせるべきである。
Colossusプッシュ3ベースによって、zergの陣地にcolossusプッシュを仕掛ける準備が整った。あなたの軍はroach/hydra/corruptorと直接対決できるだけの強さになっているので、近くのzergのベースに向かおう。いつでもforcefieldを貼って退却し、もう1まわしのwarp inユニットと合流できるような、いい位置にproxy pylonを建設しよう。Blinkと+2 weaponsの研究がまもなく完了して、軍はさらに強くなるだろう。
zergの軍と戦闘するに当たって:
1. 1つか2つのguadian shieldを戦闘開始直前に使う。
2. 地上ユニットをforcefieldで分断する。
3. もしそれでも自軍が多くの地上ユニットの射程に入りすぎているようなら、1歩下がって攻撃を再開する。
4. corruptorが地上ユニットと異なる方向からやってきたら、blinkをつかって撃ち落す。
5. zergが退却しはじめたら前方にblinkしてできるだけcorruptorを撃ち落しておく。

Incontrolはgasに余裕が出来たら出来るだけ早くDark Shrineを追加し、DTを複数の異なるexpoに同時に送り込んでdroneを倒したり、同じexpoに送り込んでhatcheryを壊したりする戦術を好んでいる。またcannonを使って4thベースの確保も狙いたい。それが確保できれば資源は派手に使えるだけの量が得られるだろう。2つめのroboticsを建ててより多くのcolossusを出してもいいし、double forgeにしてすばやく3/3アップグレードを目指してもいいし、hiveユニットに備えてarchonを作ってもいいし、gasがないときにもプッシュ継続できるようにchargeを研究したり、warpgateを追加してもよい。資源に余裕があってarchonを持っているときの論理的な次のステップはmothershipをつかってarchon toiletを狙うことだろう。(訳注:archon toiletは2011年6月現在のパッチでは使えなくなっている)
注意:IncontrolがDTをつくるのはzergのマルチタスク能力をDT対応に使わせるための、彼のスタイルである。voidrayを作るのも、zergプレイヤーがcorruptorを殺しすぎていなければ、hive対策に優れている(imbalanceですらあるかもしれない。もしあなたがIdraとArtosisの対談を聞いているならば)。筆者自身はDTが好きだが、それは安いこととzergにとってdropやnydusによるハラスをかなり難しくするからだ。
4つか5つのベースを確保できたなら、あなたの軍は実践的には無敵だろうから、プッシュを続けて勝利を決めよう!
リプレイ筆者はiNcontroLのリプレイは見つけることが出来なかったので、筆者自身のものを掲載する。
Vs roach:
http://www.gamereplays.org/starcraft2/replays.php?game=33&show=download&id=190322http://www.gamereplays.org/starcraft2/replays.php?game=33&show=download&id=190326Vs muta:
http://www.gamereplays.org/starcraft2/replays.php?game=33&show=download&id=190323VODs
Idraの視点は、こちらの1時間16分から:
http://mrbitter.blip.tv/file/4773241/Vs Ret:
http://www.youtube.com/watch?v=z3ytJ5DJ1Ss&feature=player_embeddedVoid ray transition:
http://www.youtube.com/watch?v=g8B8-l8OI1c&feature=player_embeddedVs Machine:
http://www.youtube.com/watch?v=8MwCh6V8u3s&feature=player_embeddedソース筆者はこのビルドをiNcontroLが生徒にコーチしているこれらのVODで学んだ。
http://www.own3d.tv/video/47483/InControl_Coaches_Zomax_on_PvZhttp://www.teamliquid.net/forum/viewmessage.php?topic_id=182108また筆者は彼のストリーム配信でラダーゲーム中の思考過程について話すのを聞いたり、他のコーチングセッションを観たりした。あなたも機会があればチェックしよう!
次回は?Part2はPvTにおける2gate Robo からのColossusプッシュを取り扱う予定だ。(訳注:これはすでに掲載されている。
http://www.teamliquid.net/forum/viewmessage.php?topic_id=196385)